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霧矢あおいをよろしくお願いします。

『シンデレラ』から考えるSangriaRosaミューズ概念【アイカツ!110話】

こんにちは、鶴です。早くショコラショー・タイムをよこせ(ここまで挨拶)。

 

『Chica×Chica』とセニョリータシェヘラコーデについて考えていたところ、いつの間にか『Passion flower』とローズガラスプリンセスコーデについて考えるに至りました。SangriaRosaというブランドについて考えていればその原点たるローズガラスプリンセスコーデに立ち返るのは自然なこととはいえ、随分とまあ遠回りに入ったものです。

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「SangriaRosaの原点は紅林可憐さんのPRドレスだろ!」というツッコミは受け身せずに叩き込まれる所存です。SangriaRosaファンの皆様すみませんでした。

ローズガラスプリンセスコーデといえばA!110(※1)『情熱のサングリアロッサ』。紅林珠璃がSangriaRosaのトップデザイナー・エンシエロ篤にプレミアムドレスの製作を依頼しに行く回です。本稿ではローズガラスプリンセスコーデのモチーフとなった童話『シンデレラ』を関連付けたA!110の解釈を示します。

ch.ani.tv

 ※ローズガラスプリンセスコーデに手を付けたきっかけはもう一つ。A!144『ドッキリアイドル大作戦!』と童話『オズの魔法使い』の相関です。まだほとんど何も考えていないのですが、『オズの魔法使い』を読んだ後にA!144を視聴すると様々な気付きを得ることができました。特に「突然のアイカツエールブレス」は腑に落ちる感触を得られ、うまいこと商業事情を本編に絡めて来たなぁと感心を覚えました。いつか思考がまとまればお話したいですね。

こうしてロマンスドレスの題材となった童話に興味を持つようになった次第です。とりあえず『アイカツ!』が好きなら『オズの魔法使い』は読んで損はないし、他の童話に関しても一度読めば各話やドレスに対する意識が見違えることだろうと思います。是非とも。

 

さて前置きが長くなりました。今回も相変わらず拙い文章となっておりますが、暖かい飲み物でもお供にまったりお付き合い頂ければ幸いです。最近冷え込みますからね。では本題に移ります。

<注釈>

1.前の記事にも書いたのですが今後アイカツ!→A!、アイカツスターズ!→AS!と表記します(省略したい場合)。また続く数字は話数を示します(ex.A!71→アイカツ!71話、AS!75→アイカツスターズ!75話)。

 

 1.灰まみれの輝き、失われた情熱

まず話題に取り上げるのはSangriaRosaプレミアムドレス第一弾ローズガラスプリンセスコーデ。赤系統をベースとしたデザインは実に情熱的で、煌めくガラスの薔薇モザイクや金銀にあしらわれた装飾は正に豪華絢爛。ほとばしる情熱と熱い血潮が魅力と称されるブランドSangriaRosaに相応しい華々しさを放ちます。

『アイカツ!』シリーズでは各ブランドから様々なプレミアムドレスが登場しますが、その中でも『アイカツ!season3』のプレミアムドレスのデザインモチーフはブランドを跨いで童話で統一されています。そしてローズガラスプリンセスコーデのモチーフとなった童話は『シンデレラ』です。

そんな『シンデレラ』のストーリーをおさらいしましょう(※2)

1.シンデレラは、継母とその連れ子である姉たちに日々いじめられていた。

2.あるとき、城で舞踏会が開かれ、姉たちは着飾って出ていくが、シンデレラにはドレスがなかった。

3.舞踏会に行きたがるシンデレラを、魔法使いが助け、準備を整えるが、魔法は午前零時に解けるので帰ってくるようにと警告される。

4.シンデレラは、城で王子に見初められる。

5.零時の鐘の音に焦ったシンデレラは階段に靴を落としてしまう。

6.王子は、靴を手がかりにシンデレラを捜す。

7.姉2人も含め、シンデレラの落とした靴は、シンデレラ以外の誰にも合わなかった。

8.シンデレラは王子に見出され、妃として迎えられる。

[3]で示した"不思議な力"は翻訳や推敲で様々なものが取り上げられるのですが、「アイカツ!の対象年齢」並びに「日本での認知度」から今回は魔法使いを扱うこととします。

またアイカツ!に話を戻しましょう。A!110『情熱のサングリアロッサ』の"おはなし"も復習です(※3)。

アツいアイドル・紅林珠璃が、なぜだか「寒い」。アツさを取りもどすためには、大好きなブランド『サングリアロッサ』のプレミアムドレスを着るしかないと、デザイナーの元におとずれる珠璃だが…?!

これは予告なのでこの話について先ほどの形式で簡単にまとめると

1.ドラマ『アイカツ先生』の芝居に満足できない珠璃はアツさを取り戻すべくSangriaRosaのプレミアムドレスを手にしたいと決意する。

2.SangriaRosaのトップデザイナーであるエンシエロ篤と出会うことに成功するも、当のエンシエロはドレスへの情熱を失い、冷め切っていた。

3.珠璃たちは様々な手段でエンシエロの情熱を取り戻そうと奮闘するが、エンシエロは冷めたままである。

4.それでもエンシエロの中に滾る熱い風を感じた珠璃はその思いを真正面からぶつけ、そしてエンシエロと熱い舞踏を共にすることで、彼の心に再び火を灯す。

5.無事復活を果たしたエンシエロの手がけたプレミアムドレスが完成する。

6.プレミアムドレスを身に纏いステージを終えた珠璃はアツさを取り戻して『アイカツ先生』の演技に磨きをかける。

これについては是非とも該当回をもう一度視聴していただきたいですね。

ここでA!110上記[2]パートにおけるエンシエロのセリフを引用します。

「燃え尽きてしまったのかもしれないな・・・」

『ドレスに負けず劣らず熱い人』『その情熱と滾る血潮はアトリエの布を時折燃え上がらせる』と噂される人柄とは裏腹に、実際に出会ったエンシエロは実に冷め切っていました。その冷たさは『ステージに咲く氷の華』ことスミレにさえ「寒い…」と言わせるほど。かつては灼熱の太陽光線をもドレスに取り込まんとする熱さを誇っていた彼でしたが、そのアツすぎる情熱に周囲との温度差は開くばかりで、いつしか魂をぶつけあえる相手がいなくなってしまいました。くすぶる情熱は終いに燃え尽き、あふれ出た灰に埋もれるかのようにエンシエロは輝きを失っていました。

・・・さて今、「灰」という単語を意図的に口に出したのですが、「灰」にはシンデレラにも通ずる要素ですね。

シンデレラは和訳すると「灰かぶり」となります。シンデレラは英語のスペルに起こすと"Cinderella"、このうちcinderは「灰」や「燃え殻」を示す単語です(※4)。継母や義姉にいじめられてろくな服を着ることもできず、灰の出る竈(かまど)の側でしか休むことを許されなかった彼女は、灰まみれで惨めな身なりをするしかありませんでした。

・燃え尽きて灰に埋もれたエンシエロ

・灰を被って日の目を浴びぬシンデレラ

私はここからA!110とシンデレラの相関という着想を得ました。

<注釈>

2.Wikipediaより引用。ソースに信用ならんことで有名なWikipediaなので拒否反応の出る方は各々調べてください。この程度の情報にそんな熱意を燃やすこともないとは思いますけども。「灰かぶり」云々の話もこちらから拝借しました。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%AC%E3%83%A9

3.こっちは公式からの引用です。珠璃ちゃんアツい!http://www.aikatsu.net/03/story/110.html

4.では"Cinderella"の"ella"は何なんだという話になるのですが、ella(エラ)というのは主人公の少女の名前です。意地悪な継母から「灰まみれのエラ」="cinder ella"と蔑まれていたことから"Cinderella"(シンデレラ)という呼称が生まれました。ときによっては物語の最後に「王子と結婚してエラ妃と呼ばれるようになりました」と記述されることもあるそうですよ。なお、分かりやすいように論中ではこの少女のことをシンデレラと呼びますのでご理解を。

 

 2.きらめく魅力はお互いの魔法によって

シンデレラという童話の中で主人公の少女が持つ要素は「灰をかぶって惨めな少女」だけではありません。「魔法によって本来の魅力に目覚める少女」がもう一つの重要な要素になります。この要素について作中で関わる人物は魔法を与える魔法使いと魔法を与えられるシンデレラの二人があげられることを取り敢えず頭の片隅に置いておいてください。

さて、再びアイカツ!本編の話へ。ドレスへの情熱を失って冷めきっていたエンシエロでしたが、珠璃は「彼の魂はまだ冷え切ってない」と彼の中にまだ燃える情熱を感じ取っていました。そして珠璃はエンシエロに激励の言葉を送ります。

 

「あなたの炎はまだ消えていない…何故なら私は、アンダルシアの熱い風があなたから吹き付けるのを確かに感じたのだから!」

 

その言葉に突き動かされて珠璃と共にアツいフラメンコを舞ったエンシエロは、ドレスへの燃え滾る情熱を思い出すことができました。日の目を浴びぬシンデレラの魅力を魔法使いが魔法によって引き出したように、A!110では珠璃がその舞によってエンシエロの眠れる心を目覚めさせたのです。

このシーンにおける「情熱を呼び覚ました珠璃」と「情熱を呼び覚まされたエンシエロ」の関係が先ほどあげた「魔法使い」と「シンデレラ」の関係に合致すると考えます。よってこの関係がA!110において重要であるとし、メインに据えて論じていきます。

「一方(A)の刺激でもう一方(B)が目覚める」という関係を「A→B」という形で表記します。

ex.童話『シンデレラ』では「魔法使い→シンデレラ」

さて、A!110におけるこの関係は「珠璃→エンシエロ」だけであったか?・・・答えはNoでしょう。そもそもこのA!110の導入はどういったものだったか、先ほどのあらすじを再びここに引っ張ってきます。

1.ドラマ『アイカツ先生』の芝居に満足できない珠璃はアツさを取り戻すべくSangriaRosaのプレミアムドレスを手にしたいと決意する。

そう、この話は本来ならば「エンシエロの作ったドレスで珠璃がアツさを取り戻す」という「エンシエロ→珠璃」で成り立つストーリーのはずでした。しかしエンシエロまさかの不調により、今度は「珠璃の励ましによりエンシエロがアツさを取り戻す」という立場の逆転が生じて「珠璃→エンシエロ」が成立したのです(※5)。

そして物語のフィナーレでエンシエロは珠璃にこう語りかけます。

 

「こちらこそお願いしたい。君のためにプレミアムドレスを作らせてはくれないか、セニョリータ珠璃!」

 

こうしてエンシエロの手掛けたローズガラスプリンセスコーデを手にした珠璃はSangriaRosaプレミアムドレスお披露目ステージを経てアツさを取り戻し、見事にアイカツ先生をアツく演じ切るのでした。つまりここで本来想定していた「エンシエロの手掛けたドレスで珠璃がアツさを取り戻す」という「エンシエロ→珠璃」が再び成立するわけです。

このようにA!110の劇中で「①エンシエロ→珠璃」「②珠璃→エンシエロ」「③エンシエロ→珠璃」と関係が何度も転じることになるのです。これを『シンデレラ』の「魔法使い→シンデレラ」という関係と照らし合わせると、珠璃とエンシエロの両方が「魔法使い」であり、両方が「シンデレラ」であると考えることができます。これが私の考えるA!110解釈の核心に辿り着く手掛かりとなるのですが、ゴールテープを切る前に少し寄り道をしましょう。アイカツ!というアニメ作品において欠かすことの出来ないステージパートで披露された楽曲『Passion flower』について。

 <注釈>

5.アツさを失ったはずの珠璃が逆にエンシエロのアツさを取り戻そうと奮闘したということは、珠璃の中にまだアツさが存在していたと考えられますよね。刺激を与える側にアツさが無ければ、誰かのアツさを取り戻すことはできないでしょう。これはこれで掘り込み甲斐がありそうです。ここで物理の話を持ってこようと思ってたんですが高校時代に物理がめちゃくちゃに嫌いだったことを思い出してやめました。

 

3.咲き誇る情熱は永遠に

前置きでなんか堂々と宣言してしまいましたが、今回は楽曲解釈記事ではないのでサクッといきましょう。結論から言ってしまえば『Passion flower』はシンデレラの対極であるということです。

童話『シンデレラ』で魔法使いがシンデレラに魔法をかけるときに「12時になったら魔法が解けてしまうから、それまでに舞踏会を抜け出しなさい」と忠告したことから分かるように、シンデレラが憧れの舞踏会に参加できるのは魔法をかけられた一晩だけでした(※6)。それを念頭に置いた上で『Passion flower』の歌詞(※7)からこの曲がシンデレラの対極であると述べた根拠を抜粋しましょう。

 

胸がときめくリズム 魔法かけてくターン

私が 目覚めていく

恋も 遊びも 全部 退屈に思えるの

今夜も 踊ってたい

 

はい、何を隠そう歌いだしの部分です。

「魔法かけてく」「目覚めていく」という言い回しから、語り部は現在進行形で踊っていることが推測できます。それに続く「今夜も踊ってたい」は「今夜も」とあることから「昨夜も踊っていた」ということになります。すなわちシンデレラとは異なり、幾晩も踊り続けているのが『Passion flower』の語り部です。なお、仮に「今夜も踊ってたい」の一節だけから状況推理を行うと「昨夜は踊っていたが今夜は踊れないため、願望を口にしている」という想定もできるため、上記抜粋一連で「昨夜も今夜も踊っていたい」というシチュエーションとなり、シンデレラの対極である根拠として成立しています。

「灼熱の 太陽が 未来を揺らしている」という歌詞にも触れましょう。『シンデレラ』では舞踏会は夜に行われ、またシンデレラにかけられた魔法は夜12時までの時間制限があったことから、輝けるシンデレラは夜だけの存在です。つまり太陽(=朝日)は無縁であるといえます。その一方で『Passion flower』の語り部は今現在太陽の光を受けていると捉えられます。よって太陽と同じ場に立てている点からシンデレラと対極に位置すると言えるでしょう。また夜12時で魔法が切れる、つまり未来が断たれることが約束されているシンデレラに対して、『Passion flower』は「未来を照らしている」と語り部が行く先を見据えられている点においても、この曲はシンデレラの状況とは異なります。

以上を根拠に「『Passion flower』はシンデレラの対極」であると改めて主張します。

<注釈>

6.歌詞全文はこちらからどうぞ。控えめな性格が描かれていたシンデレラとは正反対の毅然とした口振りにも注目です。 http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-150225-322

7.実は原作(らしきもの)では何度も舞踏会に参加しちゃってるんですが日本で一般的に知られるシンデレラのストーリーを扱っているということで多めに見てください。あくまでアイカツ!のメインターゲットは日本の女の子たちなので。

 

4.Forever Princess

再び『シンデレラ』のストーリーを思い返します。シンデレラは魔法使いから魔法をかけられることによってひと時の夢に溺れることができましたが、その一晩を過ぎてからはまた惨めな生活に戻ってしまいました(※8)。王子でさえ見惚れるほどの眩い輝きも一夜の夢に過ぎなかったのです。

一方のA!110では『シンデレラ』の「魔法使い→シンデレラ」のような一度きりの関係とは違って、「①エンシエロ→珠璃」「②珠璃→エンシエロ」「③エンシエロ→珠璃」と二人の関係が繰り返し何度も転じます。

一方的に刺激を与える関係にあるのが魔法使いとシンデレラ。対して互いに刺激を与えあう関係にあるのがエンシエロと珠璃であることが分かります。

また、この入れ替わりによる構図の成立が三回である点も極めて重要です。一回でも二回でもなく、四回でもなく、三回なのです(※9)。

刺激を与えるのが一回、つまり一方的であればそれは『シンデレラ』での双方の関係と変わりません。

次に「エンシエロ→珠璃」「珠璃→エンシエロ」の一往復で終わる場合を考えると、その一往復以降に刺激の与え合いが行われる可能性についての判断材料に欠けます。四回の場合も同様に、二往復以降の予測が困難です。偶数回の譲渡は単なる反復であると判断します。

しかし「エンシエロ→珠璃」「珠璃→エンシエロ」「エンシエロ→珠璃」の”一往復と一回”、すなわち”一往復+二往復目の一方”を見せることによってそれ以降の刺激を与えあうサイクルの誕生が示唆されます(※10)。

分かりにくいので簡単にまとめると、刺激を与える行為が偶数回の場合は「AがBに与えた。BがAに返した。」という反復が行われたという事実に留まるのですが、それが奇数回の場合は「AがBを刺激した。今度はBがAを刺激した。そしてAがまたBを刺激した。ではBはまたAを刺激するのか?そうした場合AはまたBを?」という可能性の広がりを生みます。

つまりここから「①エンシエロ→珠璃」「②珠璃→エンシエロ」「③エンシエロ→珠璃」という刺激の行き来によるSangriaRosaの無限の可能性が示唆されると考えます。

そしてこの刺激を与えあう関係性は『アイカツ!』におけるデザイナーとアイドル<ミューズ>の関係性に他なりません。ここで改めて『アイカツ!』でデザイナーとアイドルに関するセリフとアイカツ格言を引用します。

 

「ミューズ、それは神話の中に出てくる女神たちの総称。彼女たちの美しさと知性それぞれが持つ個性は多くの芸術家にインスピレーションを与えたと言われている。つまりミューズがいたから芸術家たちは作品を生み出すことができた。芸術家もデザイナーも人間だもの。何かに刺激をされて、影響を受けて作品を生み出しているのよ。あなたもそうじゃない?親しい友達が頑張ってるのを見て自分も頑張ろうと思ったり」「はい」「デザイナーもそれと同じ。だからファッション業界ではデザイナーの創作意欲を刺激するモデルのことをミューズと呼ぶの」「じゃあエマさんは...」「Spicy Agehaのデザイナー橘アンナに『この子のためにデザインしたい』そう思わせたってこと」(※11)

 

『ドレスは人がまとってこそ完成する』(※12)

 

デザイナーはアイドルの姿に刺激を受けてドレスを作り、アイドルはデザイナーの手掛けたドレスによって自身の魅力を引き出す。そしてそのアイドルの魅力にデザイナーはまた創作意欲を刺激される。このようにアイカツ!には「お互いに刺激し合うデザイナーとアイドル」という関係性が存在します。それが「一方的に刺激を与える魔法使いとシンデレラ」と対照的です。つまり”『シンデレラ』を比較材料として、お互いに刺激し合うアイドルとデザイナーの関係性を説いた”のがこのA!110話であると私は解釈しました。

A!110話ライブパートの『Passion flower』とローズガラスプリンセスコーデにもついても触れておきましょう。改めて二人の関係「①エンシエロ→珠璃」「②珠璃→エンシエロ」「③エンシエロ→珠璃」を『シンデレラ』の「魔法使い→シンデレラ」という関係と照らし合わせていきます。

「②珠璃→エンシエロ」の時点では【珠璃=魔法使い/エンシエロ=シンデレラ】という立ち位置です。それが「③エンシエロ→珠璃」に転じるのはエンシエロが珠璃にドレスを手渡すタイミングなので、エンシエロがドレスを製作している時点ではまだ「②珠璃→エンシエロ」です。「魔法使いのためにシンデレラをイメージしたドレスを作る」。なんとも違和感がありますね。しかし私はこう解釈しました。「魔法使いにシンデレラの衣装を重ねることで”自ら魔法を使うシンデレラ”が誕生する。一夜限りの魔法では終わらない”悠久のシンデレラ”が完成する」と。

アニメ本編でエンシエロは珠璃によって情熱を取り戻し、「今この瞬間だけ燃え上がっているようではいけない。これからもずっと魂を燃やし続けなければならない」・・・そう思ったことでしょう。そうした決意から、ローズガラスプリンセスコーデというドレスを珠璃に手渡すに至ったのだろうと私は想像しました。

 

シンデレラの衣装を纏った魔法使いが舞踏会に立つ、

つまりドレスとアイドルと楽曲<ステージ>が合わさることよって

アイドルとデザイナーが一体となったブランドSangriaRosaが誕生したと考えます。

 

まとめるとこのA!110は「童話を比較材料にすることでデザイナーとアイドルの関係を示し、更にステージパートによってその説得力を裏付けている構成」であると私は解釈しました。『アイカツ!』の名だたるミューズ回の中でも特に評価されるべき完成度だと思います。

シンデレラが望んでいた灼熱の太陽が照らす未来の中で、エンシエロと珠璃は思うままに踊り続けることでしょう。それが一夜でも二夜であろうとも、たとえ千夜を経ようとも、ここからすべて始まる。

 <注釈>

8.最終的にシンデレラはガラスの靴をきっかけに再び王子と巡り合ってハッピーエンドとなりますが、それはシンデレラと魔法使いの関係性から逸れるため考慮外とします。

9.A!177表彰式挨拶...(号泣)

10.つまり五回でも条件に合致します。奇数回の譲渡が今後の広がりを予感させるというわけです。

追記…五回だと2サイクル目が成立している証明になりますね。2サイクル目が成立していない三回だからこそ未来への示唆と捉えられる美しさがあるのかもしれません。

11.A!23『アゲハなミューズ』より。『アイカツ!』を語る上で欠かすことのできない”ミューズ”という言葉を明確に定義付けてくれた回なので極めて史料価値が高いです。久しぶりに見たらめちゃくちゃ良い話で泣きかけた。

12.A!40『ガール・ミーツ・ガール』より。言いたかっただけみたいなところある。あおいちゃんんんんんんんんんんんんんn

 

 5.おわりに

いやぁいつもより数段と長くなりましたね。ちゃんと読めました?てか分かりました?これ読んでもよく分かんないんじゃねって書き終わってから賢者モードになってきました。始めは「エンシエロが言ってた燃え尽きたって灰になるやつじゃん。シンデレラじゃん」くらいの軽い気持ちだったのですが、考え始めたらどんどん連鎖して随分だらだらと話し込んでしまいました。ぷよぷよじゃ全然連鎖組めないくせにな。

はい、与太話はさておき。ここまで読んでくださってありがとうございました。ふぁぼなり「読んだ」の三文字だけでも空中に投げるなりするともれなくtsurucloverが喜びます。エンシエロの情熱はこれからも燃え続けるかとは思いますが私は今回で結構いい感じに燃え尽きたので、しばらくは140字制限のくだらない短文を電脳に投げつける日々に戻ろうと思います。それでは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ショコラショー・タイムまだ?まだなのか?ショコラショー・タイム.........

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